Anarchy in the Oriental Medicine 5

2020年7月30日

『 ずさんな教育制度 』 と、モラルの低下。
治療できない資格者を増産し続ける学校。

不のスパイラルはもう止まらない。大きな自浄作用は確実に働き出しています。
不況の波に飲み込まれる今、東洋医学は必要とされるのか?

前回のあらすじは こちら

以前、柔道整復の保険問題を取り上げてみましたが、やっていることはマッサージ。
保険制度が危ないからと、現金治療にシフトしようとして頑張る人達もいるようですが
そうなっても今度は町に溢れる整体と変わらない。

保険がつかいずらくなったら、患者さんの認識はそんなものではないでしょうか?

鍼灸に関しては 「 ちょっと不思議な東洋医学 」 

これって世間のイメージが先行しすぎて、治療者のほうが後ろを追いかけているようで
非常に危うい。 「 気 」や東洋医学でなんでも治るといった類のオカルト。

患者さん・施術者だって、そういったイメージを妄信的に信じ込みたい。
また、本質的には正しいし、なかにはそういう治療者もいると思います。
しかし、全員が稀な存在ではありませんよ!

そして、とくにそういう世界に憧れてこの業界を目指そうとする人もいます。

それがどうでしょう・・・わからない世界を学ばない(努力しない)まま
いつのまにか、鍼は痛くない、刺さなくても効く ・・・ 経絡がなんちゃらかんちゃら
そんな話が多くの鍼灸師の間では常識のようになっています。

刺さないで効くなら、鍼なんてやらなくていいじゃないか!

おいらも学生時代、右も左もわからず不思議系セミナーに習いに行った事もあります。
現在はネタにすること以外まったく役にたっていません。

鍼って手では届かない人体の深い部分にも刺せるから使う意味があると思うし
そこに必要な知識は解剖生理学です。

それから中医学に段階を進めていけば良い。 

まして学校教育で陰陽五行論・臓腑・経絡もろくに理解してない鍼灸師が
八綱や他の弁証で診断なんか立てられる訳がないんです。

学校の教科書に載せてある疾患別の経穴処方だって、おそらく漢方と
鍼灸併用で考えていた古典派の処方穴だから全然意味が無い。

また脈にしろ、それが合ってるかさえ判定するシステムがない ・・・。
古典に書かれてるような脈証って現代と違ってもっと重病の方だと思います。

唯一あるとすれば患者さんが治ったかどうかです。

これって医療なんでしょうか?

もちろん名人芸のような先生方もいらっしゃいますよ。

こないだも@鍼灸に参加頂いてる先生で、鍼とボルタレンでどっちが
有効性があるか 「 腰痛 」で立証しようというお話がでてました。

でも、こういう積極性のある先生方ってほんとにごく一部でしょう。

そして 「 気 」のパフォーマンスを利己的に扱う療術家ほど
医療のカテゴリーには入ってきたがりません。

もっとわからないスピリチュアルな彼方へ行ってしまいます。

彼らの信じて疑わない 「 都合の良い、気や霊の世界 」とは
悪までグレーな部分であって、東洋医学ではないと思うのだが ・・・

それも世間には東洋思想と認識されているのでしょう。

そういう施術に心惹かれた患者さん・施術者の自覚のない妄信は 「 彼らのエサ 」
また、その人にしかできない感覚の世界だったりします。

確かに患者さんが治ればなんでも良い。
でも人は育ちません。 体系化なされてませんから。

凡人のおいらは解剖整理を理解して、五大疾患

腰痛・腰下肢痛・膝痛・肩痛・首痛 」 をこなせるようにしたいと

頭を切り替えました。

実際、ほとんどの患者さんのニーズはそこです。
でも五大疾患でさえ、技能を修得するにはえらく時間がかかります。

これはと思った治療法を探すのがまず大変。

実際にそれを追試していく環境を作るのも大変。
そして、これは有効と手ごたえを感じるまでひたすら繰り返す。

数年間ずーっとこんな感じでした。 しかし、『 類は類を呼ぶ 』

ある活動をきっかけに、同じような経験をしてきた仲間と出会った。
自分を肯定する嬉しさに、朝まで何度も酒を酌み交わし語り合った。

考え、治療法、尊敬する先人、業界の未来、自分の行く末 ・・・

『 グループを作ってなにかをやってみよう 』 そう思った自分がいた。

次回 ・・・ 『 unite結成 』 に続く

『 無秩序な東洋医学 』